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日就寮がとる学生自治について

寮自治とは何か?
ハラスメントに関して
学生自治寮では教職員や規則の干渉を排して自由な運営を行なっております。この場合、「みんな」の意見として寮内でハラスメントが横行しかねません(例えば、極端な飲み方など)。ですので、日就寮ではハラスメントに関しては進んだ対処がなされています。具体的には、アルハラの厳格な禁止、思想・信条の自由、いじめの禁止、などがあげられます。大学の学寮に関する記述は「過激派の拠点」のようなレッテルが貼られているので何らかの思想的な強制を懸念するかもしれませんが、上記の理由からそんな強制はもちろんありませんし(そもそも思想が強い方はマイノリティであり「過激派の拠点」でさえありませんが)、仮にもしそんなことがあれば「あらゆる学生の福利厚生を保証する」という寮の理念に反するでしょう。
大学との対立に関して
『東北大学の学生寄宿舎に入寮希望される方へ』における日就寮についての記述は、実際に住んでいる寮生から見れば実情からかけ離れていたり、大学からの一方的な物の見方で書かれています。そのため、以下の主要な論点について解説を行います。

 1  自治に関して ~対立の根源~

1.1 自治とは何か?

1.2 自治の制度的保障である入退寮の学生による実施に関して

2 日就寮は中核派の拠点になっているのか?

3 対立構造全体の解説と、手段としてのレッテル貼り

3.1 学生寮は経営上の負担

3.2 自治寮がジャマ

4 目指す在り方と自治空間の魅力

1. 自治に関して ~対立の根源~
 結論から言えば、日就寮は大学当局と対立しています。その対立点は学生自治が学内に必要かという点です。そして、日就寮と他の学寮およびユニバーシティハウスとの違いは、この学生自治です。学生自治は「決める」ことに関するものなので、定義上政治的な営みです。しかし、それは寮および学内に関する事柄について学生としての立場から意見を伝え、決定に反映させていく営みであって、中核派などの政治党派が行う社会運動とは全く区別される活動です。

1.1 自治とは何か
 日就寮は寮自治による運営を行っています。学生自治とは、学内において学生が教職員に必ずしも従属せず、自分たちのことを自分たちの話し合いで決めるやり方のことです。寮自治とは学生自治を寮に関して行うことです。大学が寮に関して何らかのことを決定し実行されるような場合、それが学生全体や実際に住んでいる寮生の権利にどのような影響を及ぼすのか寮内で議論・検討し、寮として受け入れるかどうかを判断しています。一方、他寮やユニバーシティ・ハウスは自治寮ではなく管理寮ですので、学内において教職員の決定に無条件に従う必要があり、我々の認知する限りにおいては実際そうなっています。
 無条件に従わない場合、話合う必要があります。実際、歴史的には学寮と大学との間で団体交渉する場があり、私達は現在も大学と話し合いをする場を求めています。しかし、1998年より大学は団体交渉を拒否、以降は要望書などを提出しても窓口の職員から口頭での回答があるばかりで文書での返答はしないとまで明言しています。 このように、無条件の従属を求める大学と、学生が学生の立場で自分たちの利害のために活動する学生自治を堅持する日就寮は、対立しています。

1.2 自治の制度的保障である入退寮の学生による実施に関して

1.2.1 どのように行われているか?
 日就寮では入寮希望者本人やその保護者の方と直接やり取りをして、学生が自分達で入退寮選考を行っています。そして入退寮の手続きが完了するたびにそれを大学に届け出ています。大学は日就寮に誰が居住しているのか把握しており、日就寮としても大学に知らせず誰かを住まわせているということはありません。
 個人情報管理についてですが、お預かりした個人情報書類は入寮選考委員が責任を持って管理し、使用後はシュレッドして破棄あるいは返却しております。

1.2.2 なぜ自分たちで募集をするのか?
 ちなみに、今でこそ日就寮の募集形態が特異的なように見えますが、日就寮以外の学寮も、2000年代の途中までは同様にそれぞれの寮で入退寮選考を行っていました。現在では、大学にその権利・業務を委譲しています。
 この形態を維持する理由は2つあります。
個々人の事情に合わせた柔軟な選考ができるため: 大学の選考手続きでは、家庭の収入額などの画一的な判断で入寮可否を決められてしまう恐れがあり、より寮に住む必要性のある人が切り捨てられてしまうことが考えられます。
 大学に入退寮選考権を委譲すると、その恣意的な運用により寮生に対して不当な退寮措置が取られ得る状況になるため、

→留年、留学、休学したら退寮!?
『東北大学学寮管理運営規定』(大学による学寮の運営に関するルール)によれば、寮生は留学や留年休学をする際に寮を出なければいけないことになっています。しかし留学や留年休学は、それぞれ学生に認められた権利の一つです。日就寮はこの「規定」を不当として歴史上受け入れておらず、留学や留年休学中も問題なく寮に籍を置けるようにしています。
 特に留年に関して補足しますと、これは怠慢や自己責任などの言葉で単純に片付けられるものではありません。経済的な困難を抱えている家庭の出身者には、アルバイトで学費や生活費を捻出しなければならない人もおり、その結果として学業に影響が出て留年してしまうということもありえます。しかも留年者は、家庭からの支援も厳しくなりがちです。このような状況で寮まで追い出されてしまう可能性を考えると、卒業まで学生生活を続けていけるのかということに、大変な不安を抱くことになるでしょう。

2 日就寮は中核派の拠点になっているのか?
 歴史的経緯から、日就寮の卒寮生には中核派の人間が存在し、OPとして寮に遊びに来ることがあります。しかし、思想・信条の自由を担保するため、私達は特定の思想を持っていることを理由に寮生や来訪者を差別することはありません。同時に、思想や行動を誰かに強制するようなことも許していません。政治団体や宗教関係の人が来て勧誘されても、断る自由があり、議論をする自由もあり、一緒に活動する自由もあります。このことを寮生も、勧誘する側も理解しています。しかしこれは特別なことではなく、社会一般でもそうあるべきであり、大学という既存の物の見方を問い直す学問空間においては特に重要なことであると思います。なお、これらを尊重できない寮生や来訪者に関しては、退寮をお願いしたり、以後の来訪をお断りすることがあります。(幸い、今のところ前例はありません。)
 日就寮の中で中核派の集会等は行われておらず、寮として中核派の活動に参加しているということもありません。(またこれは拠点か否かに直接的には関わらない補足的な情報ですが、中核派の寮生自体も2015年以降は存在していません。)このように「拠点」としての実態がないのにも関わらず大学の文書にああいった記載がされている点について、大学にその根拠を問い合わせた結果、以下のように一切説明する気がない非民主主義的な姿勢が明らかになりました。果たして、姿勢に問題があるのはどちらなのでしょうか?
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学生の声 投書1
学生の声 投書2
 なぜこのような事態が発生しているのでしょうか?日就寮の仮説では、日就寮に入寮してほしくないからです。それはなぜかというと言うと、大学にとって学生自治とは邪魔なものであり、また学生寮は経営上の負担となっているからです。

3 対立構造の解説: 手段としてのレッテル貼り
3.1 学生寮は経営上の負担
 学寮は福利厚生施設です。一方、収益性が低い学寮に代わって近年大学が新しく建設を進めてきたユニバーシティ・ハウスがあります。これは半民営化されており、大学の文書には「福利厚生施設ではない」と書いてあります。そして、東北大学前「総長」里見進による中期目標計画『里見ビジョン』においては、「ユニバーシティ・ハウスの増設と学生寄宿舎のユニバーシティハウス化」が方針に挙げられています。これらから、学生に対する住居による福利厚生は削減傾向にあり、学寮は廃止傾向にあると結論付けられます。この削減がどのような範囲で行われるかについて大学に問い合わせたところ、いま流行りの「ご飯論法」で誤魔化され、質問に対する回答は得られませんでした。
学生の声 投書3

3.2 自治寮がジャマ
 学寮廃止とユニバーシティハウス化の方針を実行に移していこうとする時に、日就寮のような自治を行っている組織があると非常に邪魔になります。寮生を退去させようとしても、入退寮選考権を大学が握っているわけではないため強制的に事を進めることが難しくなります。そのため、日就寮にできるだけ力を持たせないように、寮生数が増えないよう妨害しているのです。このような自治寮つぶしと半民営型の学生寄宿舎建設の一体化した流れは、東北大学だけでなく全国の大学で共通して起こっています。

4 目指す在り方と自治空間の魅力
 学生自治と言っても野放図に学生の権利を拡大させることを目的としてはいません。大学も学生寮も社会との関わりの中に存在しているからです。私達は、その中で大学や学生寮がどのような存在であるべきかを考えながら主体的に携わっていくことを目指しています。
 このように公益的な視点を持ちつつ、自らが過ごすコミュニティの問題に裁量と責任を持って主体的に携わり、その中でやりたいことを仲間と共に実現していくことができる時空間はまさに大学生活の中で体験するべきものですが、しかし残念ながら今では大学の中でも、また社会においてすら貴重なものとなっています。
 共に生活しながらこのような時間を過ごすことで、サークルや研究室の仲間とはひと味違う出会い方、関わり方をする人間がたくさんでてきます。ここで得られる経験や人間関係などは、自治としての在り方でなければ生じ得ない独特な魅力をもつものであり、だからこそ自治は守っていきたいものでもあると私達は考えています。

Access

tel:090-7520-8194
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add:〒982-0832 宮城県仙台市太白区 八木山緑町16−3 東北大学日就寮
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